へしおれたじそんしん

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『ゴジラ-1.0』をみたこと

ネタバレとか踏みたくなかったので公開初日に見に行きました。真ん中の席は取れなかったので左端に座ったんですけど、割とよかったですね(利き目の反対側から斜めに見ると見やすいという説を見かけたので)。
久しぶりに映画を見に行ったら、シークバーがなくてあとどれくらいで終わるのかわからない感覚にドキドキしました。


近年のゴジラの描写が超越的神秘的に神格化された存在だったので、ひたすら凶悪で暴虐な怪獣として描かれていたのが新鮮で良かった。ゴジラに恨みとか亡霊とか神とか王とかそういう面倒くさい肩書なんかいらないんだよなあ!
丁寧に敷いた伏線をわかりやすく回収してくれるのでとても分かりやすくて視聴後にもやもやした感情が残らなかったのがいい。


冒頭の小さいゴジラ、凶暴でよかった。小さいから人を咥えられるくらいに顔が近い。今作のゴジラは凶暴だぞというイメージを植え付けるに十分なインパクト。あのとき機銃で何とか倒せたかもしれないという後悔にさいなまれそうなサイズじゃないか。

大戸島から物語が始まっていなかったらその後の戦後復興連続テレビ小説みたいな復員兵のPTSDまみれの疑似家族生活パートに耐えられなかったかもしれない。佐々木蔵之介のしゃべり方はちょっと鼻についたけど、 そういうキャラクターとしての演技だったのかも。主人公の養子が何言ってるのかわからないところは劇場の音響のせいかな? 喃語か。

ゴジラに襲われる夢から覚めた主人公が生きている感覚を失うところ、丁寧に家族ごっこ、仕事を得て戦後を生き抜いていくぞという主人公を描くことでそれをゴジラに破壊される描写がより輝くんですね。
地面にめり込むゴジラの足、しっぽ回転アタックの破壊力、ビルの屋上にしがみつくラジオキャスター、電車で鉄棒する主人公の妻、国会議事堂と戦車、ゴジラに追われて走る人々。
放射熱線は威力高そうでよかったけど、しっぽの展開ギミックはあんまり好きじゃなかったですね、発光は好き。
放射熱線で原爆っぽさを強調した割に放射能の影響をあんまり描いてなかったのはちょっと気になる。黒い雨と立ち入り禁止くらい?

「私の戦争は終わっていない」というところ、すごく重くてよかったですね。

シンゴジラが官主導でゴジラに立ち向かう物語だったのに対して、今作は自国の軍は解体されて米軍も動かせないという枷を付けたうえで民間人がどう立ち向かうかというところが肝だったんだけど、あくまで民間でというところを強調しすぎだったように見えた。わかったって。死人は出さない、でほんとに死人を出さなかったのはすごい。

船を陸に放り投げ田んぼを闊歩するゴジラは明らかに津波のメタファーを感じさせる。震電ゴジラにタイマン仕掛けるところもいい。異質なシルエットの震電が主人公機って感じを醸し出しているのも良い。戦艦でゴジラにガスタンクを巻き付けるところの映像は盛り上がりがある。海から来たものを沈めて引っ張り上げてなんとかなるのかという懸念通りではあったけど。

青木崇高の役どころがよかった。みんなのためにと一番槍を主人公に押し付けた結果味方がみんな死んで、逃げた主人公に亡霊を背負わせて、最終的にみんなのために特攻かけようとする主人公のために飛行機を直して脱出機構までつけてあげるようになるのよかった。
彼がパラシュートつけてあげてなかったら逃げる主人公は土壇場で特攻できずに全部おしまいになってたんだろうなと想像するとほんとうにファインプレーだったのだ。

放射熱線で内部から自壊するゴジラ、きれいでよかったね。

最終的にみんな生還して、吹き飛ばされた主人公の妻も見つかっていたことが分かってよかったね! さすがにハッピーエンドをやりすぎだろ……とおもったら妻の首に黒いアザが浮かんでいて海中で再生するゴジラにカメラが切り替わって最悪~になるのがいい。にこにこしちゃった。

☆彡☆彡☆彡☆彡

個人的にはわりとゴジ泣きさせに来てる作品だと思ったけど、どう? 邦画のそういうところと怪獣映画のバランスが絶妙だったのかな。
シンゴジラの時とは違うCGの雰囲気を感じました。怪獣映画はもはや特撮映画ではなくなったのだなあと思わせる映像ではあった。そんなことを思っていたらゴジラフェスで着ぐるみのジェットジャガーが飛んだり跳ねたり走ったりしていて目が回りそうになった。なんなんだよオペレーション ジェットジャガー……。
『フェス・ゴジラ4 オペレーション ジェットジャガー』本編 - YouTube


以上。