グリッドマンユニバースとは、宇宙のグリッドマンであり、グリッドマンの宇宙である。
ドカ盛りの青春、ゴツ盛りのアクション、バカほど詰め込んだこういうのでいいんだよ展開。「予測可能回避不可能」という言葉があるがそれともまたちがう、期待していたものが全部出てくるというのと、予想できない物語の展開というのは両立できるんだなあというとした感想。
【以下、ネタバレを含む】
グリッドマンは最高だ。響裕太も、六花も、内海も、新世紀中学生も最高である。もっとグリッドマンを摂取したい。ハイパーエージェント・グリッドマンからパワーを得たい。
だからグリッドマンに夢を見せる。響裕太と、グリッドマン同盟とともに巨大な怪獣から町を守る夢を、グリッドマンとグリッドナイトが共に戦う夢を、別な世界の別なヒーローと共闘する夢を見せる。グリッドマンは、戦い続けるのだ。そうして生まれたエネルギーを、独り占めする。多分ラスボスはそういうやつだったのだ。
居心地がいい夢から目覚めるのは、つらい。しかしはたして、たのしい夢の登場人物は、つらいと感じるだろうか。楽しいままでいるのが幸せなのではないか？ だれかの夢のなかに落ちてきた夢は、本物なのか？
グリッドマンは響裕太の時間を、思い出を、体験を、奪ってしまったことを悔いている。その思いが、グリッドマンに夢を見せる。かつて新条アカネが作り上げた世界の夢。共に戦う新世紀中学生たち、新たな仲間であるレックス、そしてレックス＝ガウマがかつて力を合わせたガウマ隊もその夢に飲み込まれる。夢の中で見る夢、果たしてそれは、本物なのか？
選択は偽物じゃないと、かつて一人の少女に生み出されたつくりものの世界の住人であるグリッドマン同盟は、確信をしている。生まれがどうあれ、彼らは生きている。虚構であろうと、それを楽しめる人間だけが持っている力がある。
いや、グリッドナイトがグリッドマンをやっつけるところマジでよかった。グリッドマンがやられる、ガウマ隊が消える、そして蓬とともにちびアンチと怪獣少女が現れる……。ここマジで怖いしぞくぞくするんだよな。
グリッドマンの内面が描かれるのがすごくいい。最近のウルトラマンの、未熟さや不完全さ、葛藤のような内面的弱さの表現はちょっと好きじゃないんだけど、グリッドマンが裕太の青春の一ページを奪ってしまったことをうじうじ悩んでいるところはなぜか好感が持てるし、『一人じゃ無理でも、君となら』っていうキャッチコピーを見返して今更叫んでいる。頭を下げるグリッドマンを押し返す裕太、アクセプターを合わせてアクセスフラッシュするシーン、裕太がポケットに入れていたみんなが描いた落書きの「グリッドマン」が重なって「グリッドマンユニバース」が「グリッドマン」に収束していくところ、マジで涙が噴き出した。
以下、箇条書き
- それにつけても六花のふとももはふとかったし、アカネのおっぱいはこぼれそうだったし、ちせ……もっと肩を隠して……！ よもゆめはもう、夫婦やんけ……！
- アクセスフラッ──からのまっくら、眼、すっげえよかった。ていうか、SSSS.GRIDMANの最後の最後で実写やって（おれはかなり好きだが）少なからず話題にはなったと思うんだけど、映画でも神ことアカネ（真）の姿ガッツリ出てきたのすごいな。あのアカネ（真）からアカネ、アカネ（ニューオーダー）になるところマジで声出そうになった。
- 「告白するんでしょ、ぎひいひひひひ」←怪獣少女の汚い笑い声が聞けたの本当によかった。高橋花林、すき！！！！
- 髪の毛乾かしてる六花とちょっと気まずそうにする南さんのところすごくいい（南さんの声すっげえ腰に来るんだよな……）。マックスさんも好きだ。
- ボラーが内海の脛蹴りまくるところもよかったな……。
- SSSS.GRIDMAN、SSS.DYNAZENONの内容を『文化祭の劇の台本』としてさっくりと、かつ自然に紹介してくれるのがいい。これ所見でも何となく人間関係をつかめるっていうのかな。
- いいたいことなんてないよ。っていう六花の肩を後ろからたったかたん、とかみさまの指がなぞっていくのすごく良かったな。泣いちゃった。
- ナイト君ことアンチがアカネにお礼言うところよかった、おれもかみさまにかみのけくしゃくしゃしてもらいたい。
- グリッド漫画最後にいなくなるところ、あれ電光超人グリッドマンの最終回のオマージュだよね。最終回だけ確か見たんだよな。
- アイスを買って帰る途中のブランコのふとももの六花がすごかったな。
- ガウマと蓬の関係性、マジでいい。眠れない夜、窓明かりから差す細い光、男二人、言いたいことはたくさんあったはずだけど、言えなくて、だけどたしかにここにいる。しみじみと良いシーンだったな……。
- ちせがガウマ隊としてダイナゼノンに乗ったのよかった。皆さんご一緒に！ ダイナゼノン！ バトル・ゴーッ！
- 最後の最後、ナイト君とラスボスのニセモノの癖に何ができる！グリッドマンを勝たせることだ！ 今だグリッドマン！の流れくそアツかったな……。
- アレクシス・ケリヴが灰になって燃え尽きて、マジ……となったけど新世紀中学生のあんな奴の言葉を信じるな、あいつが死ぬわけがないっていうくだりに優しさを感じた、ありがとう……。
- 二代目氏の変身バンクじっくり見たい……。シャッターから顔出すのは何というか反則なんだよな！
- 来場者特典の本編カット使用フィルム風クリアしおり、アカネ・ニューオーダーででかい声出た、うれし！
もう一回ちゃんと見たいな、本当にいい映画だったし、SSSSシリーズが好きだということを再認識させてくれる、もっと好きにさせてくれるマジでいい作品だった。ありがとう、グリッドマンユニバース。
以上
